M&A しつこい営業に困っている方へ 〜その3〜「M&A手数料」

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この記事では、しつこい営業の対処に役立つワード第3弾として「M&A手数料」についてご紹介したいと思います


1.手数料の知識が役に立つ

結論から先にお伝えしますと、経営者の方に

M&A手数料の知識があるかないかで、M&A業者の対応が変わってきます

一定の知識を持たれている経営者の方は、自然とブロック✋(牽制)をしていることになります

なぜかと言いますと、経験が豊富な経営者の方は大抵の場合、M&A手数料の仕組みを知っていますので、アドバイザーの立場からすると安易な提案がしづらいからです

この意味をこれから紐解いていきたいと思います


2.M&A手数料が必要となる場面

まずは、一般的な手数料体系のパターンをご紹介します。

例外としていくつかパターンがありますが、あえて理解を深めていただくために、一般的な例でご説明します。

M&Aの業務を専門の業者や金融機関等へ依頼した場合は、概ね以下の3つの場面で手数料が発生することが多いです

  • 業務着手時(契約時)  50万円~300万円程度
  • 中間(基本合意時)   50万円~300万円程度
  • 成約時(資金決済時)  最低200万円~最高上限なし

着手金・中間金は「ゼロ」というM&A業者もありますが、成約報酬(最終)できちんと請求する先が大半ですので、大規模の会社でなければ最終的な金額は大差ないかと思います

着手金(手付金)は、途中で交渉がブレイクしたとしても、戻ってこない手数料です

中間金は、成約手数料(報酬)に一部充当する(特に買主)場合が多いですが、交渉途中でブレイク(交渉決裂)した場合は戻ってきません

基本合意というのは、売主と買主の両者が

「ざっくりとした金額」、「スケジュール」など凡その条件で成約することをまとめた時のことを意味します

成約時の手数料については、細かく見ておく必要がありますので、次のタイトルでお伝えします


3.成約時の手数料(報酬)について

成約時の手数料(報酬)の種類は、主に固定方式レーマン方式の2つがあります

固定方式は、成約したら〇〇万円といったように予め金額を固定してしまう方式です

レーマン方式の「レーマン」というのは、「取引金額に一定の料率を掛けて手数料を計算する」という意味です

取引金額は、

「株式の対価のみ」

で計算する場合と、

「株式の対価に負債を足したもの(総資産額)」

で計算する場合の2パターンがあります

上記2パターンの違いは非常に重要です

簡単にお伝えすると、

「取引金額」が少ないほどお得ということになります

ですので、

「取引金額」が「総資産」を対象にする場合は、負債の額も含まれることになりますので、特に銀行借入が多い先は要注意です


4.固定方式はお得?

固定方式は、株価(企業評価)が売主または買主の意向で最初から明確な場合や、交渉による増減を求めない場合に活用することが多いです

ですが、コスト意識の高い経営者や、数多く案件を検討されている経営者から固定方式の手数料体系を求められる場合が多いのも実情です💦

セカンドオピニオンでアドバイザーに就く場合、この手数料を可能な限り低めに固定(設定)したいというご相談を受けることがあります

当然ですが、経営者の目線からすれば、手数料を安く固定できた方がリスクは減りますので、お得になります

アドバイザーの目線では、固定の手数料と言ってもある程度高めに金額を設定いただけるとありがたいのですが、そう上手くいきません・・・

M&A業者は、次にご説明するレーマン方式の方を原則の料金体系として採用している先が多いかと思います

ですが、交渉に慣れてみえる経営者は、「原則があれば例外もあるわけだよねっ」と原則のルールを覆してしまうような交渉をされます😰

このような交渉は、M&A業者(アドバイザー)泣かせということになりますが、長いお付き合いになる場合もありますので、状況によっては原則ルールを覆してでも受けているのが実情ではないかと感じます

私自身もそうですが、正直なところ固定方式の手数料体系を指定される経営者の方は、成約までの交渉過程でも何かと主張される(ご意見をいただく)場面があるのでは?と身構えてしまいます😅


5.レーマン方式の盲点

レーマン方式の手数料体系には、意外な盲点があります

それは、

「最低(下限)手数料」の設定 です

成功報酬の最低額は、200万円、次いで500万円、1,000万円、2,000万円、2,500万円となっている場合を多く見かけます

傾向として、金融機関は最低額を1,000万円、大手M&A業者は2,000万円〜2,500万円で設定しているケースが多いです

何をお伝えしたいかと言うと、レーマン方式で手数料を計算する場合は、最低手数料がいくらに設定されているかで、出来上がりの手数料額が大きく変わるということです

レーマン方式の計算比較でよく対比されるのは、冒頭でお伝えしました、「取引金額」の違いなのですが、

この「最低手数料が下限」となる点を理解していないと、痛い目に遭います

M&A業者から、

「弊社は、手数料体系に株価レーマン方式を採用していますから、手数料のご負担が少ないですよ」と言われた場合、

先ほどの仕組みを理解しているか否かで、経営者の方の回答が変わってくるのが分かるかと思います

そうなんです!

例え、「株価」レーマン方式であっても、

最低手数料の設定により、結果的に不利になる場合があるからです

特に純資産額がゼロに近いほど、株価は最低手数料の影響を大きく受けることになります

極端な例で説明すると、

株式評価がゼロの場合、「株価」レーマン方式で手数料を算出すると、「0円」となるはずが

最低手数料の設定により、「2,000万円」となったり、「2,500万円」となったりするのです

ですので、M&A業者の方から手数料の話題が出た際は、

「最低手数料はいくらに設定されていますか?」

と聞いてみてください

相手の応対姿勢が変わるかもしれません


6.まとめ

この記事では、M&A手数料の仕組みについて知っているかいないかで、経営者の方に対するM&A業者の応対姿勢が変わる点や、最低手数料の設定には気をつけるべき、という内容をお伝えしてきました

何事も同じですが、話し相手の知識レベルで営業の攻め方や対応方法が変わりますよね?

上記のことが参考になれば幸いです

ここまでお読みいただきありがとうございました!

おわりっ

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