この記事では、M&Aを検討する際に一番重要な「秘密保持契約」を切り口に、しつこい営業への対処法をご紹介します
1.こんな提案を受けたことはありませんか?
皆さんの会社または経営者宛へ以下のような電話やメールが来たことはありませんでしょうか?
・大手の〇〇商事の社長が御社の事業に大変興味を持たれています、大変貴重なお話ですので、ご興味がありましたらご連絡をください
・〇〇工業の社長が△△社長にぜひお会いしたいと言っていますので、ご返信をお待ちしています
このような営業の連絡が電話やDMを通じて来たよ!と相談されるケースが最近特に増えています
相談をいただく経営者の中には、興味本意から連絡をされる方もみえますが、大抵の場合は別の候補先を紹介され、提案をされた本命の社長とは面談すらできない場合が多いです・・・
たまたまかも知れませんが、私が経験をした事例として、同じエリアの複数の同業者に全く同じ提案が時期をずらしてなされたケースもありました😅
そうなんです!
このような類の提案は、御社の会社だけでなく不特定多数の先へ声掛けをしている場合が多いと思います
経営者の方からは、
候補先(買主側)の了解を得て連絡をしているのかな?
秘密保持の問題は大丈夫なの?
といった質問を受けることがありますので、これからもう少し詳しくご紹介したいと思います
2.秘密保持契約とは?
まずは「秘密保持契約」って何?ということからお伝えします
M&Aは、「秘密に始まり、秘密に終わる」と言っていいほど、売主・買主間の取引交渉は秘密裏に行われます
この「秘密」をお互い守りながら交渉を進めるために締結する契約書が「秘密保持契約」です
アドバイザーの間では、NDA(Non-Disclosure Agreement)、読み方はエヌディーエーと呼んでいます
別の呼び方として、機密保持契約や、CA(Confidentiality Agreement)読み方はシーエーと呼んだりすることもあります。
もう少し詳しくお伝えすると、「秘密保持契約」は、取引などを通じて得た営業上の秘密や製造技術などのノウハウ、顧客情報などについて、交渉以外での使用や第三者への漏れを防ぐために締結する契約を指します
交渉の中でお互いに開示した自社の重要な製品・商品情報やノウハウ、顧客情報などの情報が社外へ漏れてしまうと、M&Aどころではないですよね?
秘密が漏れてしまうと、会社にとって損失など様々なリスクにさらされるだけでなく、企業の存続にも影響を及ぼすことになりかねません
そのため、「秘密保持契約」には、企業同士が開示する情報をどのように扱うのかを契約書へ明記するのです
契約書には、情報が漏れた場合の責任の内容を明確にし、その後の対応(損害賠償ができる点)などを記載しています
契約書の締結時期は、お互いの社名開示をする前となります
大抵の場合は、買主側が先に業者と秘密保持の契約を締結しており、「仕掛け型の候補先探索」として業者へ依頼をかけていることが多い点も知っておくべきです
「仕掛け型の候補先探索」については
下記の記事でも紹介していますので、参考ください
3.対処方法は?
では業者に対して、上記のような提案を受けた際に、どう対応すべきでしょうか?
対応策としては、
候補先と業者間で秘密保持契約をいつ締結されたのか?
候補先との面談が可能であるならば、だれといつ面談が可能なのか?
つまり、候補先からの話が本当かどうかを
具体的に特定できる情報(契約締結の事実や人物)を確認いただき、
場合によっては、候補先との面談時に確認させていただく旨を業者へ伝えることで、大抵のウソは見破れます
業者の中には、候補先の社名開示の許可すら得ていない先もありますので、注意が必要です
上記の質問をするだけで、業者がホワイトな先のかブラックな先なのかが分かります
4.まとめ
この記事では、「秘密保持契約」をテーマに、M&A業者からの営業に対応すべき点をお伝えしました
提案をする側の気持ちも分かりますが、中には少し行き過ぎた(秘密保持違反に該当するのでは?と感じる)提案をされる業者もあります
具体的な事例をお伝えしましたが、読者の皆さんも同じような経験は多いのではないでしょうか
実際に業者から提案を受けた際は、少しだけ立ち止まっていただいて、「いい話には裏がある」という前提でお話を聞いてみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました!
これからよろしくお願いします!
おわりっ
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